認知症の方と接する場合、「どう接していいのか」「言ってはいけないことはあるのか」などと
コミュニケーションについて悩んだり、不安に思っていられる方は多いと思います。
ですが、不安を抱えているのは認知症の方も同じなのです。
認知症の方は、自宅にいるにもかかわらず、トイレや玄関、自分の部屋の場所などがわからず、知らない人が身近にいると感じています。
もし自分も、知らない場所にいて、知らない人が身近にいる状態だったら不安ですよね。
認知症の方と接するときの基本は、本人が感じている不安をわかってあげることです。
ほかにも、認知症介護のポイントはたくさんあるので、大きく4つのポイントにまとめました。
ぜひ参考にしてみてください。
1、放置はしない。ストレスを与えるのは逆効果
ストレスを与えられたり、放置されたりすることも、認知症の方にとっては逆効果になり得ません。
不満が表面化してしまい、暴力的になったり、大きな声を出すようになる場合があるからです。
さらに、無視する、放置するといった行為は孤独感を強め、感情を爆発させてしまうキッカケとなるので注意が必要です。
2、いちいち叱らない。否定しない。
認知症が進むと、今までできていた日常動作ができなくなったり、記憶力が低下して、ついさっきのことも忘れてしまったりします。
しかし、認知症の症状が進行しても、本人の羞恥心やプライドが損なわれるわけではありません。
何かあるたびに指摘してしまうと、本人を傷つけたり、混乱を招いたりすることがあるので、行動や発言に対して、いちいち叱らない。否定しないことが大切です。
認知症の方の主張がたとえ事実と違ったとしても、本人はそれを事実だと感じています。
認知症の方が思っているイメージをただ否定することは、お互いの信頼関係を崩すことにつながります。
認知症の人の言動に対して真面目に返しても、信頼関係が崩れるだけです。
本人がプライドや尊厳を守る接し方を何より心がけましょう。
3、感謝し、褒めて、相槌を打つ
たとえ認知機能の低下が進んでも、「嫌だ」「嬉しい」という感情は消えません。
認知症の方と会話するときは、褒める、感謝する、相槌を打つの3つを心がけましょう。
話を聞いてもらった、認めてもらったと感じることで、認知症の方の「快」の感情が蓄積されていきます。
4、大切な存在ということを伝える
少しずつできないことやわからないことが増えていき、自分が今までの自分ではなくなっていくように感じてしまう…。認知症の本人がそのような絶望感や恐怖心を抱くことは想像に難くないでしょう。
認知症になっても他人の役に立てる存在であること、家事などの役割を通じて周囲の人たちに貢献していることを感謝と共に伝えましょう。
かけがえのない個人であると感じてもらうことで、不安や絶望の気持ちを軽くすることができます。
以上、今回は4つの基本的なポイントをお伝えしました。
全部のポイントを一気に実践してみるのは難しいと思いますので、1つずつで構いません。
できそうな時に実践していただければと思います。