「尊厳を傷つけない」正しい排泄介助とは?

■はじめに・・

家族の介護を始めるにあたり、多くの人にとって悩みの種になるのが「排泄介助」ではないでしょうか?

我が子の育児を経験している人にとって、おむつの着脱は手慣れたものかもしれませんが、”赤ちゃんと大人”では体の大きさも異なり、手順も当然異なります。それとチカラも必要になってきます。

さらには長年一緒に暮らしてきた家族とはいえ、排泄物を目の当たりにするのは抵抗があるでしょう。しかし、介助を受ける高齢者本人は、介助者以上にデリケートな問題なのです。

今回は、高齢者の『尊厳』を傷つけないための、適切な心構えを4点に絞ってご紹介します。

ポイント① 尊厳を傷つけない

これまで被介助者が独力でおこなってきた排泄行為の一部を、家族とはいえ人に見られるわけですから快く受け取る人はいません。

それと同時に介助者は決して不快な態度や言動を表してはいけません。不快な態度を見透かされてしまうと、介助者は羞恥心を強く感じるようになるばかりか、排泄という行為自体を罪に感じてしまい、心を閉ざしてしまう可能性があります。また、仮に排泄に失敗しても決して咎めることがあってはなりません。ますます自信を無くし人間不信に陥ってしまうかもしれません。逆にうまく行えたときは一緒に喜んであげましょう!

ポイント② 出来ることは自分でやってもらう

通常、被介助者が自立排泄できるのであればその部分はサポートする必要はありません。ただし安全に排泄をしてもらうためには、トイレとその周辺にはバリアフリーが必要となってきます。

まずトイレは座って用が足せる洋式でなくてはいけません。和式の場合は、便器の上に便座をかぶせる洋式タイプの簡易便座を購入するとよいでしょう。ほかにはトイレ個室内の手すり、ヒートショックを防ぐための温熱便座、温水洗浄も必要です。終わったあとの清拭や水洗も独力で出来るようならばやってもらうようにしましょう。

ポイント③水分補給はこまめにする

被介助者が過去に一度でも排泄で失敗してしまうと、同じ過ちを繰り返したくない一心で、極力トイレに行かないで済むよう水分補給を拒むケースが想定されます。しかし、水分補給を怠れば、脱水症状や便秘につながるため健康上よくありません。こういったリスクもきちんと説明し、これまでどおり水分を摂取してもらうよう努めましょう。

また繰り返しにはなりますが、失敗しても決して叱ったり、咎めたりはしないよう細心の注意を払ってください。

ポイント④ 排泄のパターンを掴む

排泄で失敗しないためにも、家族は被介護者の排泄のタイミングを知っておくことも重要です。その時間を見計らって早めにトイレに誘導出来ればスムーズな排便が可能となるでしょう。ただしこのときも急かしたり、焦らせたりするような言動や素振りは禁物です。

また毎日同じ時間にトイレに行くような習慣ができてくると、排泄のリズムもつかみやすくなります。

いかがでしたでしょうか?

今回は4点に絞って『被介助者の尊厳を傷つけない方法』についてお伝えしました。
今後はまた介護あるある疑問について発信していきたいと思います。

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